不倫慰謝料の未払いに関するQ&A
Q請求された慰謝料が支払えない場合、どうなりますか?
A
いくつかのパターンがありますが、いずれも最終的には強制執行による財産の差し押さえが考えられます。
まず、不貞をされた側の配偶者との交渉により、不貞慰謝料を支払う旨の和解書や示談書を作成した場合、その書面の内容に従った支払いがなされないと訴訟に発展します。
訴訟によって判決が確定すると、強制執行ができるようになります。
次に、交渉後に公証役場で強制執行認諾文言付き公正証書を作成した場合には、訴訟を経ることなく強制執行がなされます。
強制執行認諾文言付き公正証書がある場合、訴訟で確定判決を得ることなく、公正証書の送達証明書と執行文の付与を受けて、強制執行の申立てができるためです。
最後に、すでに訴訟によって不倫慰謝料を支払う旨の判決がある場合や、裁判上の和解がなされている場合にも、強制執行が可能となります。
Q強制執行ではどのような財産が差し押さえられますか?
A
一部の例外を除き、差し押さえができる財産に制限はありませんが、代表的なものとして預貯金、不動産、給与が挙げられます。
確定判決などがあり、強制執行ができる状態である場合、預貯金の調査が行われることもあります。
その後、預貯金が差し押さえられることになります。
持ち家にお住まいの場合、住所がわかっていれば持ち家を差し押さえされる可能性があります。
また、不貞をした配偶者とその不倫相手が同じ職場に勤めている場合や、不貞相手に対する身元調査の結果勤務先が判明している場合には、給与(正確には給与債権)の差し押さえがなされることがあります。
給与が差し押さえられると、手元に入る金銭が減るだけでなく、会社に対して差し押さえの連絡がなされることで職場での立場を悪くする可能性もあります。
不貞慰謝料を支払うことができない場合、時間の経過とともに状況は悪化する一方ですので、早めに再交渉をし、分割支払いの申し入れをするなどの対応をすることが多いと考えられます。